ホーアトリプルのデメリット

ホーアトリプル導入にはプログラム正当性確保というメリットがあるが設計者の作業負荷増大というデメリットもある。

ではどんな作業負荷があるのか。

ひとつは設計者が仕様書に表明を書かなければならなくなるということだ。通常のプロジェクトでは設計者は仕様書にそんなものは書かない。もう一つは表明を勉強しなければならなくなるということだ。殆どの設計者は表現を理解も経験もしていないので学習し訓練しなければならない。時間も金もかかる上、苦労して身につけた技術も他のプロジェクトでは通用しない。設計者にとって学習のメリットは殆どない。

逆にプログラマにはメリットがある。何しろ仕様書が明確になるのだ。

こう云うと「仕様書が不明確ならばプログラマは設計者に聞けば良いではないか」とか「常識でわかることを全て仕様書に書く必要はない」という反論が出てきそうだ。しかし不明確な仕様書を生み出しているようなプロジェクトでプログラマは設計者に問い合わせをすることができない。

・設計者とウマが合わないためプログラマはコミュニケーションを避けるようになる。

仕様書に不明確な箇所が多すぎてプログラマはいちいち確認するのが嫌になる。

・設計者に連絡しても手続きが面倒で質問や確認に中々応じてくれないためプログラマは自分達だけで解決するようになる。

仕様書が不明確である」ということはこういうことだ。この状況から脱するには仕様書不明確な記述を明確にするしかない。どうすればそんなことができるのか。それがホーアトリプルの導入である。

ホーアトリプルを導入すればバグは早期発見され、開発コストは確実に削減される。導入しなければ予想もしないバグ改修に追われリリース遅延のリスクに怯えることになる。