ブローカーを潰さぬ限り未来はない

ある漫画で、風俗店に風俗嬢を紹介するスカウトマンの話が出てくる。彼等は街で女の子に声をかけ風俗店に紹介する。そして面談。果たして女の子が採用されれば、その後の女の子の売り上げの1割程度がスカウトマンにバックされる。毎月である。女の子が200万売り上げればスカウトマンに手数料20万が毎月入る。これぞ諸手で泡だ。

だがブローカーに比べればマシである。スカウトマンは自分の見つけた女の子だけを紹介するがブローカーが紹介するのは自分が見つけた技術者ではない。彼等は人の褌でビジネスをする。

ブローカーとはソフトハウスから紹介された技術者をSIerに再紹介する組織のことである。SIerにとってブローカーは技術者調達をしてくれる便利な存在である。またソフトハウスにとっても営業活動が苦手な彼等に代わって自分達の抱える技術者を売ってくれるありがたい存在なのだ。要するに、ブローカーとSIer、ブローカーとソフトハウスは互いに依存関係にある。

問題はブローカーのやっていることは違法という点である。労働派遣法で認められている人材派遣は自己の雇用する労働者を派遣するもので自己が雇用しない労働者を派遣することはできない。ブローカーは労働者を抱えて居ない。

所が現実にこの法律は殆ど守られて居ないのだ。にも関わらず元請と技術者の間には何社もブローカーが介在する。

ブローカーは業界が成長しない元凶である。ブローカーの存在により日本のIT業界は国際競争力を失っている。潰さぬ限り未来はない。