SIerの組織レベルについて

プロジェクトが破綻する原因にトラックナンバー問題がある。知識が個人に独り占めされ様々なトラブルがおきるという問題だ。その人が事故や病気になれば破綻するし、或いはその人に問い合わせが集中して多忙になればチームは破綻する。これは個人が知識伝播しないことが悪いのではない。組織が知識伝播を支援しないことが悪いのだ。

では組織は知識伝播の支援をどのように実現すべきなのだろうか。それをSECIモデルで説明しよう。

知識というのは最初は人の頭の中にある。これを暗黙知という。
暗黙知形式知に変換することができる。文書を作成するというのはこの行為のことである。
変換された形式知は伝播することができる。これにより知識は様々な人に広められる。
そして誰かに受け取られた形式知は再び暗黙知に変換される。文書を読んだ人が自分の中に取り込むのだ。

この流れをSECIモデルという。

SECIモデルを支援するのは組織の役目である。文書の間違いや曖昧さ、読みにくさを改修し管理することなどがそれである。組織は知識経路を追跡し技術者の知識レベルを分析する。組織により知識は適材適所にデリバリーされる。知識伝播はこうした組織の支援の元に達成される。

SIerは然しこうした支援に無頓着である。その姿勢を改めない限り彼等は今後も破綻プロジェクトを量産することになるだろう。