義理と人情

前に知り合いの営業マンから突然連絡が来たことがある。私を必要としている案件があるというものだったが単価が安くて断ろうとした。

然し彼女は面談だけでも出て欲しいと食い下がる。どうやら彼女のビジネスパートナーが技術者を紹介して欲しいと彼女に云っているらしくその依頼を断れなかったのだ。

それでも私が断ろうとすると、彼女はこう云った。

「あなたがその案件を引き受ければ私に対して貸しができるのだからいいじゃない。」

なんと自分勝手な理屈なんだろうと思った。もちろんそんな貸しに興味などない。だが以前に彼女には多少世話になった義理もあり怒らせても得策ではないと思い面談だけということで引き受けた。やはり私も日本人。義理と人情で動いてしまう。